求人がない40代を、常に人が足りない業界へマッチングを
40代後半の求人はブラック企業ばかり
今日も転職活動お疲れ様でした。活動の状況はどうですか?
やはり、厳しいですか。私たち40代後半でも応募できるのは、不動産の営業、タクシードライバー、清掃作業員、倉庫作業員、飲食店のホール担当、こんなものばかりですからね。
そういった職が悪い、というわけではありませんが、どうしてもブラック企業の比率が高い業界というのは言わざるを得ませんよね。
こんな歳になってしまった私たちは、こんな業界にしか働き口がないんでしょうか?
国の救済策も、ブラック企業を応援している!?
以前、国がはじめた、私たち就職氷河期世代の救済措置には、効果はないだろう。喜ぶのはブラック企業くらい。というお話をしました。
今回の方策、非正規から、正規雇用になれるんだから、贅沢言うんじゃない、と言われているようにしか感じません。こんな上から目線の措置なんて、いくら求人のない私たちだって、お断りです。
この策では、就職氷河期世代の40代を雇うことで、助成金が貰える。そんなことを期待しているようなブラック企業が、手を上げるだけでしょうね。
役所などの公的機関も、私たち世代の求人募集、なんてニュースもありますが、こちらは、焼け石に水のような少数の雇用。国は「これだけやってやってるんだ」とのアピールをしているつもりなんでしょうかね。
エラい人が考える、単純な人数合わせのような、とってつけたような策ではなく、もっと社会全体にプラスになるような策は講じられないものでしょうか?
ブラック企業と同じように、常に人が足りない業界ですが、公共性が高く、これからの時代に絶対に必要な職種や業界もあります。
そういったところへ、私たちの世代を活かす方法を考えてもらいたいんです。
学童保育や児童館の現状
地元の学童保育が存続の危機
前置きが長くなりました。本題です。
私の地元にある「学童保育」が存続の危機にあります。
ここは、民間の施設で、非営利活動法人が運営をしてくれています。現在は、社員が4名いるのですが、来月にひとり、3か月後にひとり辞めることが決まっており、その後の運営の目途がたっていません。
先日、存続に関しての緊急の会合がありました。夕方からはじまったその会議が、終わったのは23:00近くでした。参加しているのは、子供を預けて、働いているお母さんたちです。
内容を簡潔にまとめると、現状の厳しい状況を認識し、当事者として、保護者のみなさんにも解決に向け考え、協力してほしい、ということです。
この非営利活動法人の代表の方も、かつてここに子供を預けていた方です。代表のやり手がいないため、ボランティアでやっている、普通の働いているお母さんです。
指導員がきてくれるように、保育料を上げて、指導員の給料を上げる、というのは、ひとつ簡単な選択肢です。ですが、今実際に預けている側としては、それは厳しい。当然でしょう。
では、給料を上げずに、どうすれば指導員が来てくれるのか、といった議論に、時間ばかりが過ぎていったわけです。
結果、決まったことといえば、求人チラシを作り、みんなでポスティングしよう、なんていうことだけ。
チラシなんて、万の単位まいたって、反応は数件の世界です。私も協力してポスティングをしましたが、解決には程遠いとしか言いようがありません。
給料が18万では、誰も働いてくれない
このチラシで、問い合わせはあるかもしれません。
ですが、待遇を聞いて、本気で働いてくれる方が、そうそう現われてくれるとは思えません。だって、月給が額面で18万ですよ。
そんな薄給なのに、仕事は激務です。相手は子供ですから、いい子ばかりじゃないですからね。はっきり言えば、可愛くない子や問題児、とんでもない「クソガキ」もいるのが現実です。それを相手にする仕事です。
お昼を食べる時間や、休憩時間なんて、あってないようなものですし、夢物語のような対応を本気で求める、とんでもない親もいます。
そこで事件や事故があれば、すべて指導員のせい。ニュースやネット、SNSで散々叩かれたりもするわけです。肉体的にも、精神的にも消耗する職場です。
これはどこの学童も同じだと聞きます。それでも、こんな条件で働いてくれる方がいるんです。ありがたい話じゃないですか。
ボランティアの意識がある方がそれだけいらっしゃるわけで、そんな方たちに支えられているわけです。
でも、やはり日々の現実として働き続けるのは、相当に厳しいんでしょう、長続きしないんです。学童保育の職員の平均勤続年数は、1年を切ると言われています。
児童館や、保育施設も同じような現状
私は仕事柄、公共施設に行くことが多々あります。その中には、児童館や保育施設も多くあります。
十数か所の施設を、定期的に訪問していますが、どの施設も、所員の方の努力を目の当たりにし、なんとかならないものかと、いつも感じています。
児童館においてあるおもちゃなんて、ホントにボロボロですよ。女性の所長さんが、慣れない手つきで、ドライバーでおもちゃを直し直しなんとか使っている。予算は設備の修繕費でほぼ消える。おもちゃなんて年に数個しか買えない。そんな話を耳にします。
酷いところでは、かなりの広さの施設なのに、職員は3人しかいなく、順番に休みを取るので、実質ほぼ毎日を2人でまわしている、なんていう児童館もありました。
民間に頼らざるをえない現状、ここに国の支援を
地域の行政による格差も大きい
この問題は、その地域の行政によるところも大きいです。
子供が少なくなり、小学校に空き教室ができた埼玉県川口市では、ほぼすべての学童が、小学校の中の空き教室でおこなわれています。これなら、移動のときの交通事故などの心配がないですし、小学校の先生もすぐ近くにいるので、本当に安心ですね。
また、埼玉県蕨市は、日本一面積が狭い市ながら、児童館が4つもあり、そこが市内の小学校のすべての学童保育も兼ねています。職員が両方を兼務できるのですから、大変効率がいいやり方です。
ですが、私の住むさいたま市は、人口は増加しているので、小学校に空き教室なんてありません。そして、広大な面積と人口をカバーできる、公共の児童施設も全然足りません。
どうしても、民間の施設に頼らざるを得ないわけです。
私たち世代が、学童で働けない「壁」
この状況をを改善するには、まずは指導員さんの給料を上げることでしょう。
ですが、民間の施設では、それはイコール、保育料を上げる、に直結するわけです。そんなの、学童に入れて、働かざるを得ない方たちが、簡単に受け入れることなんて、できるわけないじゃないですか。
そこで、私たち世代を活用してほしいと考えるわけです。
私たちは求人がない、学童や保育施設は、常に人が足りない。ぴったりなはずですが、それが実現できない2つの「壁」があります。
薄給と資格の問題
ひとつめは、給料が安すぎる問題です。月給が額面18万なんて、バイトレベルでしょう?
こんな給料じゃ、悠々自適の生活ができている高齢の方で、子供が大好き、且つ、元気で、肉体労働が苦にならないような人じゃない限り、勤まるはずがありません。こんなの、ハードル高すぎです。
ここを埋めるには、国の支援しかないでしょう?先がない老人に金をばら撒くくらいなら、こういった未来に投資するべきです。補助金や助成金を本気で考えてください。
ふたつめは、資格の問題。働くのに資格が必要な職業なんです。普通は資格があれば、給料は高くなるものですよね? なのに、社会的に渇望されている職が、こんな薄給なのはなぜなんでしょう?
今回の支援策には、資格取得の補助をすることも盛り込まれていましたから、特に保育関連を手厚くするなんて、簡単にできるはずですよね?
氷河期世代に保育士関連の資格を無償で取らせて、学童などの施設への助成金を増額し、指導員の給与を普通の会社員並みにすれば、私たち世代も仕事ができて所得も上がり、若いお母さんたちも働くことができます。
社会全体が活気づき、消費も活発になるじゃないですか。
社会性の高いところにこそ、就職氷河期世代の活用を
現実を私たちの目線で見てほしい
今回の国の支援策、一言でいえば「10年遅い」です。散々就職氷河期世代の私たちを、「自己責任」だなんて、シカトしておきながら、労働人口の減少に焦り、いまさら人数が多い私たち世代に擦り寄ってきたようにしか見えません。
しかも、ようやく出てきたのは、キレイごとを並べただけで、中身は、常に人が足りない業界=ブラック企業、へ押し込めようと誘導している罠のような策だけ。
こんな支援策で本当に成果がでるなんて思ってるんですか?現実をもっと、私たち目線で見てほしいものです。
学童の会議に参加したお母さんたちは、行政なんて期待できない、なにもしてくれない、私たちができることをするしかない、と本気で言っていますよ。
未来を担う子供のお母さんたちですよ。本当にこれでいいんですか?
私たちの世代は、団塊の世代なんかとは違って、下の世代なんて知ったこっちゃない、自分たちだけ逃げきれればいい、なんて意識はないですからね。
未来のために、これからの世代、若いお母さんや子供たちのために、国がお金を使うなら、私たちは慎ましやかに暮らすのはやぶさかではないと、本気で思っています。
選挙対策で、高齢者やお金のある層への手厚い政策は、そろそろいいでしょう。早々に、未来のことを考えた方向へシフトしないと、取り返しのつかない状況になりますよ。
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