転職があたりまえになれば、生産性はもっと上がる
終身雇用をいまだに信じてしがみついている
人手不足の売り手市場。業界によっては、慢性的な人材不足などという話をよく耳にします。それなのに、私たち40代には、求人がない、転職先がないのが実情です。
もっと転職市場が活性化し、スキルや社会情勢に合わせて、自由に職を変えるのがあたり前の環境になれば企業にも働き手にもメリットがあるのは間違いありません。
そうすれば、私たちの世代の求人も増えますし、マッチングの機会が増えることで、より適材適所になっていくでしょう。
転職を推奨しているわけではありませんが、とっくに崩壊している終身雇用、いまだにそれを夢見て、しがみついているだけの方も多いように見えます。
「年功序列」という無駄な賃金体系
トヨタの社長が終身雇用について、「無理」とちょっと言っただけで、大騒ぎしているマスコミを見て苦笑します。私たちの世代以下は、「なにを今さら」としか思いません。そんな幻想をいまだに信じているのは、逃げ切れると思っている世代の人たちだけです。
そして、その人たち、実質的な仕事をおこなっていないのに、高給を取り続けている世代が元凶なのは言うまでもありません。実務のトップ、という中間管理職を長年務めている私たちの世代にとっては、決して超えることのできない、無駄な壁ですね。
年功序列なんて無駄の極みを続けるより、能力給にするほうが生産性が上がる。なんて、考えなくてもわかることなんですけどね。
合う合わないは誰でもある 適材適所と言えない現状
3回の転職で4社を経験して、その職場に、合う合わないは間違いなくあることを実感します。そりゃあ人間ですので、生理的に受け付けないといったものは当然ありますし、まったく同じ能力でも、場所が違えば、評価が劇的に変わることがあるんです。
そして、適材でない人員配置が数多くあることもあらためて痛感しました。よくある話ではありますが、それを放置している企業がいかに多いことか。特に中小企業では顕著です。まあ人材がいない、ということなんでしょうが。
人材を育てていく、という長期的で前向きな異動ではなく、消去法で仕方なく当てはめただけだったり。何でも屋のような存在の中間管理職が、スーパーマンな働きをしている、なんていうのもよく聞く話です。
本当は、徹底的にイレギュラーを排除し、誰がやっても同じ精度と速度でできる環境を作らなくてはいけないわけですが、教えられる人材がいなかったり、教えるより自分でやってしまわないと間に合わなかったりと、そこまでリソースが割けられないのが、中小企業の現実です。
時代に取り残されたところも
その一方。仕事柄、役所関連に行くことも多いのですが、そこでの時間の流れ方が、中小企業と大きく差があることを感じ、愕然とすることが多々あります。
たった1枚の申請用紙を記入するのに、3人掛かりで説明されたことがあります。普段の仕事の状況が目に浮かび苦笑します。
他の役所でも、パートの方でしょう、窓口の対応など、実務をおこなっている方は忙しそうですが、その奥に座っている方たちは、パソコンを見つめて、指1本で何をしているんでしょう?
実際に市役所で、窓口の業務のパートをしていた経験がある女性が、今の職場にいますが、すごく忙しかったと言っていました。そして、指示だけをする役職者の方は、お察しの通りだったそうです。
人材を生かしていく前向きな転職へ
会社単位でなく、仕事単位で転職できる時代へ
私は仕事の業務フローを構築し、それをマニュアル化、作成したマニュアルでチームのメンバーを教育、事業を軌道にのせる。なんて仕事をよくまかされていました。新規事業の立ち上げや、不採算部門や離職率の高い部署の建て直し、それに声が掛かりそのプロジェクトをおこなっているときはいいですが、完了すると、当然別のことをやらされるわけです。
ごく一部の社内の効率化にはいいですが、社会全体を考えると、効率がいいとはいえないわけです。会社という小さいコミュニティの中だけでは、人材を最高に生かしていくのが難しいのは当然です。
会社単位で捉えるのではなく、仕事やプロジェクト単位で考え、まずこの会社で5年事業の立ち上げを経験し、その後この業界へ転職する。などといった転職の仕方へシフトしていくべきです。
転職をネガティブではなく、ポジティブに
今後副業や兼業、時短勤務、クラウドワーク、AIがおこなう仕事など、働き方が劇的に変わっていくのは間違いありません。
まだまだ転職はネガティブなイメージがありますが、まずこの会社でスキルを学び、その次はこの業界で、その経験を生かす。といったような、長期的で前向きな転職。それがあたりまえの時代になっていくことでしょう。
そうすれば、年功序列の名残から、単純に若い世代を求めるのではなく、この一プロジェクトを何年かで完遂するため、といった求人で、私たちのような40代以上の世代が、より活躍できる場が増えていくのは間違いありません。
自分になにができるのか、しっかりと把握し、来たるべきオファーに備えてください。ポジティブに考えていきましょう。
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