就職氷河期を超える時代がやってくる
先日以下の記事を公開しましたが、それから2ヶ月弱。新型コロナウイルスの影響で、ここまで状況が変わるとは思ってもいませんでした。
「大リストラ時代が来るか」程度と考えていたのが、雇用状況は悪化の一途を辿っており、就職氷河期を超える超就職難の時代が間違いなくやってくる状況となりました。
ほんの1ヶ月前に話題になっていた、内定取り消し問題も、今ではほとんど聞きません。さらに内定取り消しが増えているのにも関わらずです。
それだけ、ほぼすべての業種がどうしようもない状況となっており、それを責められなくなっているわけです。そりゃあそうでしょう、ほぼすべての経営者にとって明日は我が身です。
当面は国の助成金などで繋いだとしても、経済が完全に元に戻ることはないでしょうから、当然不況は長期化します。今はまだ大型のリストラのニュースは目立っていませんが、ジワジワと企業の体力が削られていき、緊急事態宣言の解除後、夏から秋にかけて、続々と増えていくのではと懸念されます。
バブル崩壊後、リーマンショック後より、厳しい雇用環境になることは間違いありません。
私たちの世代が新卒で経験したバブル崩壊後の「就職氷河期」では、まだ微かにバブルの残り香もあり、今まで大卒に見向きもされなかった中小企業や不人気業界が大卒の応募に驚喜したり、中にはバブル的な接待をする会社もまだ少しありました。
ですが、今回はそうはいきません。
「就職超氷河期世代」なのか、「コロナ渦世代」「パンデミック世代」、「永久凍土世代」、どう呼ばれるかはわかりませんが、そのうちきっとマスコミによって、呼ばれる方が鬱となるような、素敵なネーミングがなされることでしょう。
新卒を絞るより、リストラの選択が多くなる可能性大
さらに、私たち世代にとって怖ろしいのが、新卒の入社を絞るより、私たち世代のリストラを選択する会社が激増する可能性が高いことです。
まだバブル崩壊後の時代は、まだ終身雇用があるかのように取り繕われており、おおっぴらにリストラをおこなうことが許されない風潮でした。なので、会社は新卒の雇用で人員の調整をしていたわけです。
ですが、昨今では、大手企業でも早期退職勧告をおこなったり、経営が順調な企業でも、黒字リストラをおこないはじめている状況でした。
人の動きが止まり、致命的な売り上げ減の状況となった今、会社は「新卒を絞る」、「40〜50代をリストラする」、どちらを選択するでしょうか?
会社が求めている人材の多くは、末端の作業員です。特に人手が不足しているのは、倉庫作業員、清掃作業員、飲食店、ドライバーなどなど、若くて体力もある人材でないと、厳しいものばかりです。
今の社会情勢も会社の背中を押しますから、リストラへの批判も少ないことでしょう。逃げ切れる能無しの60代以上と、実務をおこなう20~30代を残し、中途半場にエラくて給料もそこそこ高い40〜50代が狙い撃ちされていくことでしょう。
大リストラの可能性が高い会社の4つのチェックポイント
私は、実際に大々的にリストラをおこなった会社を2社見てきました。役職者の50%をリストラした中堅中小企業と、全社員の25%をリストラしたベンチャー企業です。
その経験から、リストラの可能性が高い会社の特徴を挙げてみます。
・中間管理職がダブついている
あなたの会社に、わけのわからないカタカナ役職や、~代理、~補佐なんて、エラいのかエラくないのかわからない役職が増えていませんか?
20年以上勤めて、40代になったから、しょうがなくなにかしらの役職をつけたなんて、もうそんな考えの会社なんて生き残っていけません。
このパターンは大変危険です。どこかでリストラをおこなわなければ、会社が立ち行かないでしょうからね。ある程度以上の役職でなければ、リストラを覚悟しておくべきです。
・末端の作業員が足りない
求人を出しても、応募がこない。たまに入ってきてもすぐ辞めていく。20~30代の離職率が異常に高く、残っているのは40代以上だけ。
これも上記と同様です。根本的な人員体制を変えないと、会社は潰れるだけでしょう。リストラの覚悟、または末端の作業員に落ちることを覚悟してください。
・社長がワンマン
トップダウンですから、こういう会社は決まったら早いです。会社のルールも、「私は関係ない」と、自分だけ特別扱いにしているような経営者なんて最悪です。社員のことなんて、これっぽっちも考えてないでしょう。
好き嫌いで人事をおこなっている社長だったなら、尚のこと、嫌いな人間=言うことを聞かない、自分で考えて意見が言える人材、からリストラしていきますよ。つまりできる人間から切られるわけです。その後に残るのはイエスマンばかり、会社は潰れていくだけでしょう。
・急速に売上・利益が減少した
経営者なんて、いざとなったら身の保身、自分の金だけを考えるようになります。「従業員に1銭たりとも渡したくない」、露骨にそれを見せる社長も見てきました。
手っ取り早く経営状況を良くしたいなら、出るお金を絞ればいいわけです。いちばん大きいコストは人件費。つまりリストラです。
あなたの会社はどうですか?この4つにあてはまるようでしたら、覚悟をしておくべきです。
実績や人望、真の意味で仕事ができることなんて関係ないですからね。「自分にしかできない仕事がある」、なんて幻想ですから。会社には絶対に必要な人なんていません。いなくなったらなったで、誰かがやるか、やらなくなるか、だけのことです。
農業だって視野に、様々な働き方を柔軟に考えておくべき
新卒の頃は、人員の調整として入社を絞られ、中小企業や非正規でしか採用されず、なんとか入った会社で20年以上も勤めたのに、40代も後半になってリストラの対象。
さらには、氷河期世代への国の支援の方針が出てきたと思ったところに、とどめを刺すようなコロナ禍 。私たちはなんと呪われた世代かと、怨嗟の気持ちです。
ですが、過去を恨んでも何も前に進みません。いざ我が身に降りかかったときのことをリアルに考えてください。今まで本ブログでお話ししてきた、準備や心構え程度は当然と考えて下さい。それ以上に厳しい状況となっていくことでしょうから。
特に大企業など、安定した会社に勤めている方のほうが、現実に直面したとき、そのギャップに苦労する、なんてよく聞く話です。
もう今までが年収いくらだったから、マイナス100万までなら許容範囲なんて、寝言いわないでください。就職先がないどころか、仕事自体が、会社自体が、さらには業界自体がなくなる可能性もある状況なんですから。
転職を余儀なくされ、年収300万、いや250万を覚悟する必要もあるかもしれません。
JAや行政が、農業に人材を受け入れ、なんてニュースもありますが、こういったことだって検討すべきです。視野を広く柔軟に考えるべきです、経験してきた業種や職種にこだわりすぎるのは、大きなマイナスとなることもありますよ。
それだけではなく、時間を融通したら、いくつのアルバイトをこなせるか、合わせた収入はどのくらいになるか、リアルに計算しておく、これくらいしておいてもいいでしょう。
今は動いての活動はできませんが、いざその時を真剣に想像し、幅広く情報を集めておいてください。そして、収入が減った場合、今の生活をどう変えていくのか、どこを削って、どう生きていくのか、考えておくべきです。



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