外国人労働者の受け入れ 40代の私たちはどう捉えるか?

asian-worker 40代の転職の現実~持っておくべき基本的な心構え~

東南アジア3カ国を訪問して感じたこと

経済発展の陰に、隠される貧困の問題

先日カンボジア、ベトナム、タイの3か国を訪問してきました。感想を一言で言うと、「日本と変わらない」です。

プノンペン、ホーチミン、バンコク。どの都市も、高層ビルが立ち並び、都市部は東京と変わりません。ですが、経済発展の陰に、その恩恵を受けることができない層が多々存在することを実感しました。

スラムや孤児院といったところも訪問してきましたが、カンボジア、ベトナム、タイの順に訪問するにつれ、そういった施設や貧困層が目につかなくなっていきました。

国が見えないようにしているんです。経済発展していくにつれ、地域ごと遠方へ引越しさせるなど、それがないように見せる方策をとるわけです。それでも、日本よりは、近くて見えるところにありましたが、見えないようにされている分だけ、日本の方がやっかいなのでは感じました。

日本では、雨風もしのげないような建物や、ゴミだらけの通り、スラムのような街も、ホームレスの人もあまり見かけなくなりました。見るからに貧困とわかるような、裸足の子供たちもいません。 ですが、見た目にはわからなくても、日本の子供の貧困率は7人にひとりです。

人材派遣会社や、ネットカフェなど、貧困層を狙っているようなビジネスが、盛況に見えるのは気のせいでしょうか?

一生超えられない壁は、どの国も同じ

どの国も、日本と同様経済格差が深刻です。その差は一生追いつけません。高級ホテルの横に、異臭がひどくて近づけない地元のマーケットがあったり、スラムのすぐ向こうに、近代的な高層ビルが見えます。格差は日本以上に大きいと感じました。

カンボジアで実際に見たことですが、朝通ったとき新しい道を作っていたところが、夕方には出来ていました。そんな勢いで発展しています。ですが、その恩恵を得られるのは、土地を持っているかどうかです。お金を持っていれば、さらに土地を買って、さらに裕福に。それができない人は、そのまま。その差は広がるばかりです。

それでも国の成長をみんな肌で感じているんでしょう、どの国の人たちからも日本以上の活気を感じました。

カンボジアで出会ったガイドさん

カンボジアのガイドさんは、母国語に加え、英語も日本語も堪能でした。子供たちを、みんな医者にするのが夢だそうです。

カンボジアでは、ひとりを医大に入れると、3千万かかるそうです。一人分はたまったが、あとふたり分、6千万をどう貯めようと悩んでいました。日本の普通のサラリーマンより、よっぽど稼いでいます

日本語を勉強して、日本人向けの観光ガイドをやりつつ、人材や資材の手配など、カンボジア現地での簡単な管理業務。これを複数の日本や欧米の会社に対してやっているわけです。仕事が増え、人を雇いはじめたそうです。高くなりそうな土地を少し買っている、とも聞きました。

カンボジアでは、英語ができれば収入2倍 日本語ができれば3倍とも言われているそうです。

ベトナムでガイドしてくれた女子大生

ベトナムでガイドをしてくれたのは、日本語を勉強している、現役女子大生の二人でした。
将来の夢を聞いてみると、ひとりは日本人観光客へのガイドとして働きたい。もうひとりは、日本人と結婚したい。と話してくれました。半年後に、日本にインターンとして行くことも決まっているそうです。

実際に、ベトナム駐在の日本人男性と結婚して、裕福に暮らしている大学の先輩を見ているからか、日本への憧れは強いようでした。そして、日本の若い方からは感じることが少ない、ハングリー精神を感じました。

実際に、日本に来ているベトナム人は急増しています。私の地元の日本語学校でも、今は中国人や韓国人より、圧倒的にベトナム人のほうが多いです。

外国人労働者の流入をどう考えるか

そして若い外国人労働者がやってくる

今だに悪徳斡旋業者がはびこっていて、問題となっていることもありますが、国を挙げて整備が進めば、さらに外国人労働者が大量に流入してくるのは間違いありません。そして夢やハングリー精神をもってやってきます

東南アジアの国々は、平均年齢が低いです。カンボジアに至っては、24歳です。(これはポルポトのおこなった、悲劇の歴史の結果でもありますが。。)言わずもがな、日本の平均年齢は、私たち世代くらいです。

やってくるのは、20代~30代前半くらいが圧倒的に多いでしょう。実際に、今日本にいる外国人の方の年齢も、20代~30代がいちばん多いです。それに、国としても、そこの世代の補完として考えているわけでしょうし。

日本の若い世代は賢い

目一杯働いても、それなりに働いても、給料はたいして変わらない。これに早々に気づいて、一生懸命に働くことをやめた若い世代は頭がいいと思います。

本気でそう思います。結婚しない、子供を作らない、当然の選択です。この国で今そんな無謀な選択は、普通はしないでしょう。それを背中で見せてしまったのは、我々世代なわけですが。。

そして、価値観も多様化しました。お金があって、ステータスのためだけに高い車を買って、夜のお店で派手にお金を使って。そんなつまらないことに価値を感じるのは、右肩上がりの時代を生きてきて、それが今でも通用すると勘違いしている世代の人だけになりました。

ですが、外国の若者が大勢やってきたら、そんなことを言ってられないかもしれません。本気で働ける場がなくなってしまう可能性もあります。

売り手市場だからといって安心しすぎると、楽で最低限の収入が得られるような仕事、そういった仕事は全部外国の方に奪われるかもしれません。実際、すでに都内のコンビニの店員や、居酒屋さんの店員は、外国人の方ばかりです。

40代~50代 私たちの世代ができること

20代から30代の数多くの外国人労働者がやってくると、この方たちをマネジメントができる人材が圧倒的に不足します。20~30代のマネジメント経験がない方が、同世代を管理するのは厳しいでしょう。

そこで、私たち世代の出番がやってきます。ここで、異常に多かった同世代の中から、這い上がってきた経験、どんな環境でも対応できる適応力、それを発揮してください。

どう捉えるかは、みなさん次第です。働く場所を奪われると考え、ただ「反対」するのか、「チャンス」と捉えて、なにかをやりはじめてみるのか。「チャンス」を日本語に訳すと、「機会」ですからね。掴まないとなにもならないですから。

例えば、ベトナム語を勉強してみたり、風習を調べてみたり。カンボジア人には結構英語が通じます。やめていた英会話の本を引っぱり出してもいいでしょう。どの国も、自国に外国人がいることが普通のことですので、日本人よりよっぽど英語は話せます。

劇的に働く環境が変わっていくのは間違いありません。今のうちに自分の棚卸しをしておき、情報収集をしっかりおこない、来るべき未来へ、備えておくことをするかどうか、それはあなた次第です。

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