元FC本部の人間が語る裏側 フランチャイズ加盟の現実 転職先と勘違いしている人は間違いなく失敗する

escapism 40代の転職の情報収集~情報を制するものがすべてを制する~

フランチャイズ加盟で失敗するタイプ

清掃業界に長年勤めた経験から

※ここでいうフランチャイズは、清掃技術を身につけて、個人事業でやるタイプのものです。※

私は清掃業界の会社で、20年以上の経験があります。その後、転職し、清掃業のフランチャイズの本部の会社にもいたことがあります。あわせて25年程の経験です。

現場での清掃作業や、清掃用具の納品のルート配送から、内勤での受注窓口、クレーム対応のコールセンター、新規開拓の営業、営業所長、そして、お掃除で個人事業主として独立したい方を勧誘する、フランチャイズ加盟の営業もしたことがあります。

ここでは、その経験から、清掃業のフランチャイズ加盟の現実、お掃除のフランチャイズを検討されている方には、必ず聞いていただきたい、フランチャイズ本部の裏側の本音をお話したいと思います。

フランチャイスでの「独立」は「転職先」のひとつではない

生き方を変えたい、自分の働き方を考え直したい、その結果独立を目指す人。業界を決め、具体的なやり方の計画も立て、資金繰りも検討した結果、個人での独立では勝算が低いので、フランチャイズ加盟を考える。

こういった、自分が独立するための方法のひとつとしてFC加盟を選ぶ方なら、かなりの確率で成功すると思います。

そうではなく、独立して自由な生活ができる、月100万以上の売上も可能、(あくまで「売上」です。)などどいう甘言に夢を見て、フランチャイズ加盟を、転職先のひとつとして考えているような人は、間違いなく失敗します

はっきり言います。ほとんどのFC本部は、加盟金で成り立っています。なので、フランチャイズを転職先のひとつとして考えているような、甘い人間を取って喰うわけです。

その失敗は、転職の失敗の比ではありません。借金を抱えることになりますので。ですが、フランチャイズ加盟の資料請求や、説明会に来る人は、ほとんどが後者のパターンです。

フランチャイズ募集も「広告」

いいところを強調しているのは、求人広告の募集要項と同じです。違うところは、専属の営業マンがいて、ゴリゴリ押してくるところなわけです。惑わされてしまうのもわかります。

ですが、たった数百万の加盟金で、独立して自由な生活!これだけ稼げる!なんて真に受けではダメですよ。

フランチャイズ本部は、詐欺師なわけではありません。広告に対して、来るものは拒まない。それだけです。あたり前です、営利を目的とした企業ですから。

あなたは、 独立することの現実を本気で試算していますか?それには、収益があがるようになるまでの生活費も含まれていますか? 保険や税金もきっちり計算していますか?

trial-calculation

ハッキリ言いますが、転職先がない、採用されないような方が、逃げ道のように、個人事業でやるようなフランチャイズに加盟しても、成功はしませんよ。

フランチャイズ本部の本音 数字の現実

加盟店からの、月々数万円のロイヤリティだけで、FC本部が会社を存続するには、どのくらいの加盟者が必要だと思いますか? 数百件程度の加盟では全然足りません。計算してみれば、簡単にわかることです。

加盟金は数百万ですから、それが本命です。人生を掛けて、夢見る中高年の貯金や退職金を狙っているわけです。

もちろん、そのフランチャイズに加盟し、そのノウハウで成功する人もいます。ですので、フランチャイズ自体が悪いとは思っていません。ただ、考えが甘い人の方が多く、FC本部もそれを視野に戦略を立て、収益の柱にしているわけです。

言葉は悪いかもしれませんが、貧乏で後がない人をターゲットにするという意味では、ある意味、貧困ビジネスに近いかもしれません。

フランチャイズ加盟の勧誘は一流の営業マン

FCの加盟開発も「営業」です。当然、いい部分を切り取って、誇張して見せて、勧誘します。ギリギリ嘘はついていません

それに目を輝かせて食いついてくる人たち。申し訳ありませんが、底辺からの一発逆転を狙っているような方、もしくは、楽して稼げると勘違いしている人ばかりでした。

中には、大企業に勤めている方もいらっしゃいました。安定性抜群の大手すぎる企業にいると、現実を知らないんでしょうか、こんな博打な話に、身を乗り出してくる方もいらっしゃいました。

結果、そのほとんどの人が、加盟後にが本部に恨みつらみを言ってくることになります。ですが、加盟開発営業は、契約後の方には一切会いません。契約後の窓口は強面のSVです。そういうシステムです。

私がいたのは一社だけですが、フランチャイズフェアなどで知り合った、他のFC本部の人たちには、もっともっとドライで、人を取って喰おうとしているように見える方もいました。

そのくらいの感覚で割り切れなければ、フランチャイズ本部の加盟営業はやっていられないと思います。

当時、社長からは、「いいスーツを着て、格好良くしろ」とよく言われました。成功している風を装えというわけですね。

格好良く、颯爽として、自信たっぷりに輝かしい未来を語る。いい意味でも、悪い意味でも、「夢を売る仕事」なんです。

誰も言わない、フランチャイズの現実

もし自分が独立を考える立場だったら

フランチャイズ本部にいた経験と、その業界も長く、ある程度の知識や経験がある私の私見ではありますが、私ならこんなフランチャイズパッケージ、絶対に買いません

お掃除のように、ひとりでやるようないちばん安いフランチャイズだって、加盟金だけで数百万ですよ?他にも道具代や開業後の生活費なども合わせれば、実際は500万以上の資金はほしいところです。

ですが、フランチャイズ本部は、借り入れをしてでも加盟を勧めてきます。常套句は、「これは借金ではなく、投資です。」

ノウハウだけで500万です。当然その後の売り上げの保証はありません。「売上保証!」とうたっているFC本部もありますが、それこそ信じてはダメです。

その分ロイヤリティなどの支払いが多くなったり、保証に期限があったり、本部が儲かるようなシステムになっているのは間違いありません。それ以前に、売上保証を掲げたフランチャイズ本部が、長く続いたという話を聞いたことがありません。

売上が保証できるのなら、自社でやってます。そんなのあたりまえでしょう。できないから、ノウハウがない人に、最低限度のノウハウを売って、それを収益にしているわけです。

そんなものにお金を払うなら、その業界のどこかに就職して、ノウハウを学んだ方がよっぽどマシです。そのフランチャイズ加盟者のところでバイトしたっていいです。バイト代ももらえますし。

実は大手でも高い廃業率

フランチャイズに加盟したことで月100万超を稼げるようになり、人生を逆転した人も確かにいます。ですが、その陰には、その数十倍の数の失敗した人がいるわけです。

あのおそうじ業界超大手のフランチャイズ、○○本舗でも、開業後1年での廃業率は75%だそうですよ。

1,400の加盟を超す超大手のおそうじ○○でも、4人に3人はたった1年以内でやめているんです。さらには、その後訴訟など起こされ、揉めている大手フランチャイズ本部もたくさんあります。

某車のシートなどのリペア系のFC加盟者さんとお話したときのことです。ここも大手で、「自由で高収入」なんて、景気のいいFC募集広告が踊っているところです。

ですが、現実は、ほとんどが辞めていっているそうです。その方の同期の方たちは、みんな続いているが、それは同期みんなで情報交換をして、励ましあっているから。とのことでした。本部以上に、横の繋がりが大きいそうです。

加盟までは、本部がいいことを言うのは当然です。ですが、その後は本部に頼るだけでなんとかなるわけがないのが現実です。当然です。独立なんですから。

フランチャイズ募集も広告です。求人広告と一緒です。成功した人のいい面だけを見て、夢をみてしまっていませんか?よくよくご検討ください。

それでも独立したい人へ

情報収集、資料請求のテクニック

ここまでお読みいただき、それでも独立したいという方。綿密に事業として考えていらっしゃるんでしょう。そんなあなたなら大丈夫です。

ここで、情報の集め方について、勧誘側の経験からのアドバイスです。本当に有用なことを3つお教えします。

ひとつ目は、資料請求に関してです。

フランチャイズ情報サイトで資料請求をすると、本部から電話が掛かってきます。必ずです。FC本部は、広告掲載費用として、かなりのお金を使っています。

説明会参加者数で割れば、ひとりにつき5万円くらいでしょうか。なので、資料請求者を、なんとか説明会に誘致しようと、営業がゴリ押ししてくるわけです。

ここで面倒と考えて、電話をシカトし続けると、何回も何回も電話が掛かってくることになってしまいます。逆効果です。お互いに時間がもったいないです。

資料請求だけでいい、それ以上は興味がない、という場合は、「間違って請求してしまった」と一言答えてください。もう電話が来なくなります。むこうだって仕事です。無駄な時間は使いたくありませんので。

実際に、フランチャイズ情報サイトには、「まとめて資料請求」なんていう機能があり、希望していないものも含めて、いつの間にか資料請求してしまっていた、なんて人がすごく多くいました。

フランチャイズ情報サイトは、自社の優位性をアップさせるため、資料請求の実績を作るという、いやらしいテクニックを駆使しているわけです。こんなもの、応募者にも掲載した会社にも、互いにメリットがありません。

でも、これを逆手にとっておけば、気楽に資料請求ができるわけです。広く情報収集し、比較するのが重要なのは、言うまでもありません。

どのFC本部も、他のフランチャイズを検討させないよう、どこよりも先に自社の説明会へ参加させようとします。そこで、他のフランチャイズの悪い情報、デメリットを植えつけるんです。各FCごとの「つぶしテクニック」がマニュアル化されています。常套手段です。

そして、他の説明会には参加させず、視野を狭くさせておいて、自社のいい面ばかりをアピールして決断へ導くわけです。これでは相手の思うツボです。

私のいた本部では、すべてのFC募集サイトに掲載をしていましたが、そんな中で、ダントツで募集が多かったのは、フランチャイズ比較ネットです。

日本最大級のFC募集情報サイト【フランチャイズ比較ネット】

もし情報収集をしたいなら、まずはここで探してみるのが、いちばん効率がいいでしょう。圧倒的に情報が多いです。

「廃業率は?」核心を突く質問を

そしてふたつ目、フランチャイズ本部の人と話をする機会があったら、ぜひこの質問をしてみてください。「廃業率はどのくらいですか?」

答えなかったり、曖昧だったり、はぐらかそうとしたなら、確実に廃業率が高いです。そして、答えたとしても、それがどういった条件で、どの期間での数値なのか、これも確かめてください。

開業後、1年以上経った現存している加盟店のみの数字だったり、開業前の数十件を含めていたりと、いい部分だけ切り取って言っている場合もあります。

これには本当に注意です。私がいたフランチャイズ本部も、平気で1年前のデータを使い続けていましたからね。

他にも、「開業後の平均売上はどのくらいか?」、「黒字化するまでに何ヶ月掛かるか?」など、相手が言いたくないであろうことを予測して、聞いてみるんです。

こういった質問を適当に答えるような本部と、いい付き合いをしていけると思いますか?独立とはいえ、やはりひとりだけでやっていけるわけではありません。

FC本部とは、長い付き合いになります。こういった質問にも、正直に答えてくれる。対等な関係で、事業の成功に向け、こちらの立場で、一緒に、本気で考えてくれる本部なのか、しっかり見極めてください。

先輩フランチャイズオーナーに会うこと

そして3つ目、これがいちばん現実を知る近道でしょう。

実際にそのフランチャイズで独立している方に、会って話を聞くことです。

「独立」という意味をちゃんと理解している人ならば、こんなことは当然やっているはずです。ですが、それをやらずに、資料やネットの情報だけで決断してしまっている方の、いかに多いことか。そんな程度のことすらできないで、本当に独立して成功できるなんて、あるわけないじゃないですか。

サラリーマンじゃないですからね。「独立」です。個人事業とはいえ、「オーナー」、「社長」ですからね。これくらいのことをするのは当然ですよ。

「フランチャイズ」自体がリスキーなことを肝に銘じる

繰り返し言いますが、フランチャイズの本部なんて、本当に素晴らしいノウハウなら、自分でやってます

それでうまく稼げていないから、ノウハウを人に教えることで、儲けようとしているわけです。

これは、大前提として持っておいてください。「フランチャイズ」というシステム自体が、加盟者には、大きなリスクがあるものなんです。

フランチャイズ募集も、「広告」でしかないですからね。「未経験でもOK」なんて、いいことしか書いてありません。当然です。

フランチャイズ加盟は、転職ではないですからね。契約をしてしまえば、あとはすべて自己責任です。転職先がなかったり、逃げ道のような感覚の方は間違いなく失敗します。

検討されている方は、今後の自分の働き方や生き方を、失敗した場合の最悪も含めて、リアルに考えておいてくださいね。

↓関連記事として、実際に50代で、フランチャイズで失敗した方を見たお話です。


コメント

  1. とも吉 より:

    弟がおそうじ〇〇に加盟して半年。もう違約金100万円を払ってでも辞めたいと言い始めた。
    事前に相談してくれれば止めようもあったのだが、明日から研修だという日に加盟したと連絡がきた。
    弟は前職勤務中に脳出血で倒れ、言葉も少し不自由で体の麻痺も残っている状態て、客観的に見ても独立事業者としておそうじビジネスを立ち上げられる状態ではなかった。
    実際に研修に付いていくのも大変だったようだ。
    それでも研修終了後に開業して、チラシを配りまくって月商10万円前後、ロイヤリティ等の本部への固定の支払いだけで10万円弱、初期費用の返済が5万円弱で途方に暮れている。

タイトルとURLをコピーしました