40代後半に、本当に求められているもの
年上だが腰が低い それが逆効果に
40代での転職では、面接官や入社後の上司の方が年齢が下ということも多々あります。
入社後、扱いづらいと思われないように、腰が低く、人当たりがいい、それをアピールする気持ちになるのもわかります。ですが、人の良さを売りにするのは、マイナスになることもありますよ。
いい人だけで出世した人の末路
実際に私が勤めていた会社の例です。
パートの女性を20名ほど雇用している事務の部署で、管理しているのは、やさしくて部下から好かれる部長でした。人の良さだけで出世した典型のような人物です。
「部下から好かれる」でも実情は、事なかれ主義、今のままでいい、変革を嫌う、上にはイエスマン、パートがわがままを言えば、言ったもの勝ちの対症療法。
鈍感力の塊のような人でした。あるあるですね。生産性を下げるダメ上司の典型例です。
できない人には夢のような環境です。できないことを気づかれないわけですから。できる人には最悪です。出来る人材とわかってもらえないどころか、改善提案をする、変化を求める、めんどくさい人間と評価されてしまうのですから。
結果、ここで働くパートさんたちは、能力のある人から順に、腐って辞めていきました。
右肩上がりの時代なら、なんとかなったのかもしれませんが、会社の業績の悪化にともない、彼の評価は急落していきました。当然です。
そして、この部署は解体され、別の場所に作り直されることになりました。彼は自宅から2時間半かかる部署へ異動です。
20名のパートさんたちは、すべてクビです。彼のやり方、甘やかされるのがあたり前、わがままを言い放題の環境に慣れすぎた彼女たちに、お金を払う価値はありません。どちらも自業自得です。
やさしくて「いい人」なだけで、本当におこなわなくてならない「管理」を放棄したことで、まわりの全員を不幸にしてしまったわけです。
人柄重視の会社 その事前情報に勘違い
日本橋の老舗の会社に応募したときの話です。強化したい部署の、リーダー募集でした。役員が兼任で務めていたが、専任の担当者を置きたい。という募集でした。
転職エージェントに紹介してもらった求人です。会社が近所ということで、そのエージェント会社がずっと中途採用を担当しており、そのエージェントからしか採用をしていないということでした。
そんな近しい関係のエージェントから、有用な情報を数多くもらいました。長い歴史がある会社で人柄をとても重視している。ですが、その情報が仇となりました。
実績紹介などの提出書類から、面接での態度まで、いかにいい人で、コミュニケーション能力が高く、まわりとうまくやってきたか、それを重点にアピールしました。
以下、転職エージェントからの不採用通知メールの要約です。
役員様からは、お人柄も良く、社内雰囲気にも合致していると感じて頂きましたが、
やはり会社として注力するポジションであるため、
一貫して○○事業に携わり、結果を残している方、
且つ、メンバーに対しても適切な牽引ができるレベルにこだわりたいとのこと。
私たちの世代が、求められていること
40代後半での転職は、マネジメントを期待されています。「うちの会社で、いつまでに、どのくらいの結果を出せるのか」です。
先ほどの例も、まさしくそうだったわけです。いちばん求められていたのは「成果」であり、「人柄」などといったものは、副次的なものでしかなかったんです。
考えてみればあたり前のことですが、事前情報から、勘違いをしてしまいました。(それを推してきた、エージェントの能力も疑問ではありますが。)
人柄だけでなく、リーダーシップを発揮するため、嫌われ役だって買って出る。そのくらいの態度で面接に挑んでちょうどいいと思います。なんとか採用されようと、媚びすぎることがないようにご注意を。
コメント