はじめに ~40代後半で転職を決意したあなたに
45歳、人生ではじめての転職
新卒から23年同じ会社に勤め、45歳ではじめての転職を決意しました。
自分なりにスキルや経験に自信もありました。そして、2ヶ月少しの活動で、すんなりと転職先が決まりました。
ちょっと転職サイトに登録しただけで、わんさか届く「応募しませんか?」や、オファーの数々。転職先なんていくらでもあるし、簡単に入れる。そのときは本気でそう思っていました。
ですが、実際に入社してみると、そこでは過酷な現実が待っていました。
はじめての転職で、これ以上履歴書を汚したくないと、1年続けましたが結局さらなる転職を決断。未来のない超絶ブラック企業にしがみつくことに、なにも意味がないことを悟るのに1年もかかってしまいました。
そして、2回目の転職で、またしてもブラック企業に。。。
転職の決断の前に、もう少し情報収集を
もしあなたが転職を考えているなら、もう少し待ってみませんか?
転職しない方がいい、と言っているわけではありません。「今すぐに辞めたい」。早くこんな会社から抜け出したい、楽になりたい。 その気持ちすごくわかります。
私もそうでした。毎朝の満員電車、家に帰ればすでに寝ている家族、無能な上司、不条理な指示、理不尽な命令、無駄な会議、時間つぶしの残業、好き嫌い人事・・・。
過酷な労働環境に、これから業績が上がる見込みもなく、当然給料が上がることもない、努力が報われない未来が見えてしまっている現状。
わかります。すごくわかります。あなたのその状況、私も経験しました。今思い返しても、あの頃を思い出して、胃がキリキリと痛みます。
でも、でも。もうちょっと辛抱して、もう少し情報収集してみませんか?
実際に転職をして、失敗した経験から
今すぐにでも今の会社と縁を切りたい。転職したい。その気持ちはわかりますが、それ以上に酷い、ブラック企業にはいってしまっては、元も子もありません。
40代も後半です。やる気だけでなんとかなる年齢ではありません。悲しいことですが、体力も、気力も衰えていっていることを、日に日に実感するのが現実です。
私が転職活動で犯してしまった、様々な失敗や間違い、現実を甘くみてしまっていた部分、陥ってしまいがちな考え方、そして、入社してしまった2社の超絶ブラック企業。
ここでは、みなさんが、同じような失敗をすることがないよう、私が2年弱で3回の転職をした実体験のすべてを、包み隠さずお話していきたいと思います。
1年後に転職するくらいの気持ちで
まずは、あせらず、地道に、情報収集
求人の情報だけで、本当にその会社を理解できると思いますか?
本当に募集要項通りの待遇になると思っていませんか?
数回の面接で、本当にあなたを理解してもらえると思いますか?
実際に転職をしてみないと、わからないことがたくさんあります。
言葉や文章だけでは伝えることのできない、体験してみないとわからないことが数多くあること、これは、みなさんも経験からわかると思います。これは転職活動も同じです。
これが20代から30代なら、せめて40代前半だったら、違ったんだろうとも強く思います。10歳、いや5歳刻みで、厳しさが急激に増すのが現実です。この年齢での転職は、それを踏まえて活動していかなくてはなりません。
だからといって焦ってはいけません。転職活動をはじめてから、1年後に転職するくらいの気持ちでいていただければと思います。
どっちがいい?仕事を続けながら転職活動 きっぱり辞めて転職活動
これを悩んでいる方もいらっしゃると思います。みなさんの状況次第だとは思いますが、40代後半の転職ならば、就業しながら活動することを強くオススメします。
もう決意が固く、本腰をいれて探すなら、辞めてしまうのもひとつだとは思います。正直、働きながらの転職活動は、時間的にも、体力、気力といった面からも、かなりキツイです。いい成果を出したいならば、それは辞めたあとのほうが、いいに決まっています。
ですが、精神的なプレッシャーや、収入がなくなるという大きなデメリット、そして最大の懸念は、40代後半の転職の厳しさを理解していない。これです。私もそうでした。そして失敗しました。
転職を考えることは誰でもあることで、実際に転職をすることは悪いことではありません。ですが、考えが甘かったことで、失敗されている方がすごく多いのが、私たちの年代の現実です。
数か月くらいの活動では、わからないことが多い
ちょっと転職サイトを見てみたり、といった、数か月程度の情報収集では、まだまだわからないこと、見えていないことがたくさんあります。
あなたの応募しようとしているその求人、また3ヵ月後に同じものがでているかもしれませんよ。
複数の転職サイトの求人を毎日チェックする。ハローワークにも行ってみる。気になる募集には、その会社を見に行ってみる。電話をしてみる。働いている人に話を聞いてみる。経験として、何社も応募をしてみる。何回も面接を受けてみる。
できる情報収集はたくさんあります。
クチコミサイトを見てみてください。ほとんどの会社がブラックのような言われ方をしています。
隣の芝は青く見えるものです。まず、しっかり情報収集をし、実際に応募をしてみて、手ごたえを実感してから、本格的に考えてみたって遅くはありません。
そんなこと言っても、この年齢なら急がなくては、それはそうですが、転職に失敗して、また転職することになっては本末転倒です。もっと莫大な時間と労力が無駄になることとなってしまいますよ。
2ヶ月の転職活動ですんなり決まった会社は
私は45歳ではじめて転職をしました。ちょっと何社かの大手転職サイトに登録しただけで、山のような情報が押し寄せました。
その中から、いいなと思う数社に応募したら、簡単に書類選考を通過し、さらに面接でも、ぜひ今すぐにでも来てほしいとの社長からの言葉。
給料やボーナス、待遇など、条件は申し分のない求人広告でした。ですが、実際に入ってみたら、そこはこれ以上ないくらいのブラック企業でした。
募集要項は嘘だらけでした。はじめての転職で転職の知識のない人間を、あとがない40代を、狙いうちしている、罠のような求人があります。人の人生なんて、なんとも思わない悪徳経営者は存在します。
こういった求人広告には、数ヶ月くらいの転職活動では、なかなか気づくことができません。それくらい巧妙な嘘、魅力的な美辞麗句を並べた求人があるんです。
こんなブラック企業を回避するためには、時間を掛けて、じっくりと情報収集をすること。そしてできる限り、自分の目で確かめること、これを強く強くオススメします。
本命の前に、練習として面接を受けてみる
情報収集の基礎として、40代後半での転職活動の「現実」を体感することが重要です。私たちのような年代を、歓迎なんてあるわけないじゃないですか。それを痛感しておくんです。
特に、面接は慣れも必要です。なので本命の前に、どこでもいいので、何社か面接を受けてみるんです。
私もいろいろなサイトで調べ、想定される回答を準備していましたが、実際の面接では、想定通りには進まないものです。転職サイトのマニュアルなどによく書かれていたことが、「これは違うんじゃ?」と思うことも少なからずありました。
雰囲気も様々です。固いところもあれば、フランクなところも。必ず聞かれると思っていた「転職理由」も、細かく時系列まで突っ込んで聞かれるところもあれば、ほとんど触れられないこともありました。
どんなに事細かく詳細に書いたとしても、文字の情報では伝えきれないことがあります。あれだけ、いろいろと思い悩んでいたことが、面接を受けてみるだけで、感覚として一気に理解できることがあるんです。そんなものです。
これは時間も掛かり、体力も気力も必要ですが、ここはあせらず経験を積むと考えて、本命の前にいくつか数をこなしてください。
40代の転職をネガティブに捉えない
本音は若い人材を採用したい
もう一度、ハッキリ言いますが、わざわざ年齢が高い人材を入れたい会社はありません。 同じ能力なら、若い方がいいに決まっています。そりゃそうです。当然です。
なのに、 「40代活躍中!」なんて文言が募集要項にあることがありますよね。これを見てホッとしたりしていませんか?真に受けてはいけませんよ。
それは、40代が活躍しているのでなく、その年代以上しかいないんです。
本当に求められているものなのか?しょうがなくそういう年代だけの会社なのか?しっかりと見極めることが必要です。
40代後半を逆手にとった求人も
かと思えば、私たちの年代でも、大歓迎の求人もあります。
人脈で数件契約を取ってきてくれれば元が取れる、といった業界。または、40代以上でないと、応募してもらえないような求人。不動産営業、タクシー、人材派遣、倉庫業、清掃作業員、などなど。
「あなたでも大丈夫!」といった心強い文言が書いてあったり、入社祝い金があったり。
ちょっと待ってください。簡単に入れそうなところを選ぶのはまだ早いです。いうまでもありませんが、こういった求人は、使い捨ての底辺職の可能性が異様に高いですよ。
40代歓迎の求人はない≠あなたが求められていない
40代以上を歓迎していない。それだけのことです。それは、一般的な年齢でのイメージだけの話です。
あなたの能力が、求めている人材に一致していれば、まったく問題がないわけです。 あなたを歓迎していないということではありません。
先ほどの、使い捨てのような40代に向けた求人。そういったところでも、入れればそれでいいですか?
楽な単純作業、でも将来性はかけらもない、そんな底辺職に落ちるのは簡単です。でも、それはまだまだ先のことでしょう?。まだ40代ですよ。もっと欲張るくらいでいいです。最初から逃げの考えでは、いい結果になりませんよ。
自分というピースがはまる転職先は存在する
相当にスキルがあり、入社後「売上」を確実に作れるくらいの人材なら、待遇をアップさせる転職も可能でしょう。
ですが、大いなる中間の役職を続けてきて、能力も人望もある。なんでも屋のように社に尽くしてきた、縁の下の力持ち。そんな方には、悲しいことに、なかなか良い転職先がないのが現実です。
ですが、自分というピースが、ぴったりはまる職場は存在する。と私は思っています。
実際に私は、3回目の転職で、今の職場に恵まれました。 1社目よりは下ですが、2社目、3社目よりは給料も高く、土日休み、残業なしのホワイト企業です。
なぜこんなホワイト企業に入社ができたかというと、これは募集の見方や、転職のコツがわかってきたことが大きかったと実感しています。年齢が高くなっての転職にもかかわらず、年収アップに成功しました。
ただ、それに巡り合うまでには、長い時間が必要かもしれません。
辞めることが目的のような、逃げの転職で、すぐに決まったとしても、いい結果とはならないですよ。
時間が掛かるのを覚悟してください。じっくりと自分と向き合い、冷静に自分の価値を図ってください。そして、求人は疑ってみるくらいでいきましょう。募集を吟味し、自分の目でしっかり確かめてください。
「今に辞めてやる」を活力に、より自分を活かせる場、他の誰とも違う、「自分」という「ピース」がぴったりとはまる場所を見つけてください。
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