リストラに走った会社の体験談 経営者が細かいことを自分で見だしたら要注意

Restructuring ブラック企業の体験談~この目で見てきた底辺職~

伸び続けていたベンチャー企業の例

社長がリストラの選別をはじめる

社長自らが、社員ひとりひとりの些末なことまで口出しするようになったら、その会社は要注意です。いや、もう終焉に近いと言えるかもしれません。

以前勤めていた会社です。社長が生産性のない部門を、全部自分で見に行くことを決定し、全社に通達しました。業績が悪くなっていることはみんな知っています。リストラする社員の選別とすべての社員が捉えました。

わざわざ「社長」自らが見に行くということは、組織として構築されていない、ということです。そして、その責任は、無計画な採用を繰り返して、その場しのぎの経営をしてきた結果だと、みんな知っています。ですが、その犠牲になるのは社員です。

社長が部署の視察を終えた その後

私はこの視察の直前に、自分から辞めましたので、ここからは聞いた話です。

視察が終ったあと、ピンポイントで退職を促していったそうです。結果、システム部門5人全員解雇。事務部門は半数の3人解雇。営業部門5人のうち1人解雇。新規事業部全員解雇。月末で10名以上を辞めさせることになったそうです。50人弱の社員数ですから、実に1/4もの人員です。

さらにそのあと、対象とならなかった社員も次々に辞めていき、最終的に十数人になったとのこと。たった半年の話です。

当然ですね。こんな処遇を見れば、続けていくモチベーションなんて、持続できるはずがありません。

それ以前の経営判断のツケ

今さらトップがすべての部署を視察して、こういう経営判断をする、ということは、その売上規模に、社内の管理体制が追いついていなかったことに他なりません。

驚異的な成長率で伸びていた会社でしたが、ノリと勢いだけで、中身をしっかり構築していなかったわけです。

「夢」というキレイごとを振りかざし、莫大な資金を無謀な新規事業へつぎ込み、その分は社員の薄給と労働時間でカバーする。私がいた頃は、ホチキスの針すら買うことを渋っていたという、信じられない状況でしたので、相当な無理をしていたんでしょうね。

人材に関しての考え方も大きな問題だったと感じます。人は入れ替わるもの、とトップが公言。常に出し続けている募集に計画性はなく、入社後の教育は皆無。

ですが、社員には成長を求めます。(当然、自力でのw)専門性の高い職種に経験のほとんどない人員を充てるなどの無謀な人事。評価基準もあいまいで、実力や中身より、イメージや精神論で評価されているように感じました。

そんな管理体制を続けた結果が、大リストラとなったわけです。

作られていた成長企業のイメージ

このリストラの対象となったのは、私たちと同世代の方たちばかりでした。若い社員はそのままだったそうです。

ここはベンチャーで、体力勝負な無理な業務も多かったので、特にだとは思いますが、やはり給与が安く、融通が利くほうが都合がいいんででしょうね。

年齢は高いながらも、今までの経験を発揮し、このベンチャー企業を大きくしたい、そんな熱い思いで、入社してきた能力ある人たち。ですが、この会社の経営陣では、その人たちの能力を発揮させることは叶いませんでした。

私は、ベンチャーで伸びていることや、活気のある雰囲気に魅力を感じ、この会社に入社してしまいました。それはネット上だけの作られたイメージでした。

巧妙に作られていたそれを、知ることになるのは入社してからです。今回リストラにあってしまった方たちも、同様だったんだろうと思います。

今思い返すと、学園祭の実行委員を半年続けていたようなものでした。こんなものにつき合わせておきながら、最後はこのような仕打ちをされたみなさんが、本当に気の毒でなりません。

魅力的な文言があふれている求人、でもそれが抽象的なイメージでしかない募集広告。こういったものこそ、しっかりと調査をしてください。

社長交代で、凋落した中堅企業の例

社長交代で無能な人間がトップに

でも。それくらいは、まだ普通かもしれません。もっと酷い会社もありました

私がいた頃は、年商50億目前でした。埼玉県で50年近くの歴史のある会社です。会社は社長の器以上にはならない、とはよく言われることですが、社長交代で、まさしくその通りのことが起こりました。

創業社長が大きくしていった会社が、ダメ経営者の器にあわせるように、急速に業績を悪化させていきました。数年で10億以上の売上減少です。

業績不振を加速させる戦略

売上が減少し、この会社の新しい経営者がやったことは、3つです。
・商品の品質を落とす。
・サービスの質を落とす。
・給料の高い社員から退職を促す。

言うまでもなく、根本的な解決からは程遠い、未来になにもつながらない、その場しのぎの対症療法です。

「1円たりとも、金を従業員には払いたくない」、さすがに口にはしませんでしたが、社長がそう思っていることは、社員の誰もがわかっていました。

すべてを自分ひとりで監視しようとする経営者

さらに業績が加速度的に落ちていく中、経営者である彼女は、

  • いいことしか言わない、「下僕のような人間」だけを登用。
  • いい意味で「意見を言える」、「自分で考えられる人材」に対しては、すべて否定。
  • 現場を知らないのに、自分の持つ「イメージ」でのやり方を強要。
  • それに従わない人は、「左遷・降格」。

本社では、すべての席の配置を、社長からパソコンの画面が見えるように変えていました。
ひとりひとりの些細な行動まで、すべてひとりで監視しようしていたわけです。

自分以外のカリスマが怖かったんでしょう。自分ができないから、できる人間や、考えに従わない人間を淘汰していきました。

そして、その人間がいなくなると、また別の犯人捜しをはじめるんです。次々に標的を変え、辞めるように追い込んでいきました。さかなクンの「いじめられている君へ」の記事を思い出しますね。魚以下の経営者ですが。

自分が絶対の経営者には未来がない

自分を守るために、できる部下を潰すのは、よくあるダメな上司の話ですが、これを経営者レベルでやるとシャレになりません。役職者どころか、役員や腹心だった社員まで、次々と辞めていきました。

この頃に、私もこの経営者の元で働くのがどうしても嫌で、自分から辞めたのですが、私が辞めた後、たった1年で、役員が2名、部長職が3名、課長職以下はそれ以上の人数、辞めていったそうです。

私がいた頃でも、みんないつ辞めようか、相談している状況でしたから、聞いても「やっぱり」という感想しか出てきません。

会社は組織です。いろんな人間がいるからこそ、様々な意見が出てるわけです。ダイバーシティを理解できない経営者は、これからの社会の変化についていけるわけがないでしょう。

他人事と思うか、自分にもと思うかはあなた次第

リストラ勧告を受けたのは、ほとんどが40代以上

言いづらいことではありますが、どちらの会社も、リストラ勧告を受けたのは、ほとんど私たちと同世代。40代以上の社員でした。

私はそうなる前兆を感じ、どちらの会社も、その前に自分から辞めましたが、それでもなんとか残ろうとあがいていた方たちも、そのあと次々と辞めることになっていきました。

リストラ勧告を受けた方々は、思うところが多々あったであろうと思います。実際に先に辞めた私に対して、愚痴のメールや飲みの誘いが多々届きました。

他人事ではない、今だからこそ準備を

みなさんもこんな会社に縛られていませんか?まずご自分の体をなによりご自愛ください。体を壊してまで無理をしてもいいことはないですよ。

今までは「社員は家族」などと言っていたのが、いざ業績が悪くなると、社長が自らの利益を守るため、なりふり構わず社員を虐げるようになる。私はそれを体感しました。

私のあとに辞めることを決めた後輩からは、「とっとと辞める選択をした先輩が、今ではうらやましい」と言われました。しがみついている時間だけ、年を取っていくわけですから。

もう年功序列や終身雇用なんて、過去の幻想です。ひとごとではなく、ちゃんと考えておくべきです。

他人事と思ってなにもしないか、まだ何も起こっていない今だからこそ準備をしておくのか。それはあなた次第です。それが将来を分けることになるかもしれませんよ。

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