以前勤めていたブラック企業が倒産
45歳、はじめての転職で入社した会社は、超絶ブラック企業
私が45歳で、はじめての転職して入社した倉庫業の会社は、とんでもないブラック企業でした。
募集要項には好条件を書いておきながら、実際はその通りにしないという、求人という名の「罠」を仕掛けていました。間違いなく確信犯です。
入社した、すべての人間がそれでダマされました。本当に「すべて」の人が、です。
嘘だらけの求人広告で人を集め続け、実際は募集要項通りの待遇にはしないわけですから、入社して初日で辞める方、試用期間が終わると同時に辞めていく方が後を絶ちませんでした。
私がいた1年だけでも、100人以上が入社し、ほぼ同じ数辞めていきました。
あとがない、辞められない40代以上を狙って採用
40代後半にもなり、はじめての転職で、これ以上職歴を汚したくない、などという理由から、私はこんな会社でも、辞めることをためらっていました。
「月35万」の募集要項で入社しましたが、実際の給料は「25万」、しかも、ボーナス「あり」と記載されていたのが、「なし」でしたので、年収は300万です。
さらに、試用期間は健康保険に加入もしてもらえませんでしたので、毎月5万ほどの、この費用も自腹です。実際の年収は270万ということです。
収入面で厳しいことに加え、企業としての姿勢と、会社の経営状態や、今後の事業の展開を考えても、この会社は間違いなく破綻すると感じ、入社半年後から、再度の転職活動をはじめました。
前回よりさらに厳しい転職活動でしたが、なんとか半年で、この極悪ブラック企業以上の待遇となる会社に採用されました。今となっては、もっと早く転職活動をはじめるべきだったと思っています。
私は早々に再度の転職を決意し、実際に転職をしたわけですが、それでもこの会社にしがみついている人が、数多くいました。
40代から50代、次の就職先があるかもわからない方たち。今思えば、これもこの超絶ブラック企業の罠だったんでしょう。そういう人を、意識して集めていたんです。
実際に、男性社員は40代以上ばかりでした。女性社員は30代も多かったですが、シングルマザー率がすごく高かったです。あとがない人を、狙って採用していたんだと思います。
悪徳経営者のブラック企業が倒産
この会社、グループ会社含め4社が、今年の9月に倒産しました。
ものすごい勢いで、売上を急成長させていました。私が辞める直前には、ひと月で7億を売り上げ、このペースなら来年にも、年商で100億を超えるのでは、というところまでいっていました。
ですが、その実態、この成長をを支えているのは、ダマされて最低限の給料で働かされている従業員です。
業界の相場の半額で、受注するんですから、そりゃあ売上は伸びます。ですが、こんなやり方で、会社が存続していけるわけがありません。
社名を出したいところではありますが、もはや関わりたくないですし、本当に極悪の経営者でしたので、難癖を言ってくる可能性も否めません。
実際に、私が在籍していたときに、「インターネットに悪意のある書き込みをしているものがいる。調査し、法的に厳格な対応をする。」などと、朝礼や通達で、全社員に周知したこともありました。
そういった書き込み、従業員の声を、「根本的に解決するつもりはさらさらない」、どころか、「法的に訴える」と、恫喝まがいのことを、社員に堂々と言うわけです。真正面から叩き潰す、との宣言です。
転職活動中の、私と同じ世代のみなさん。こんなとんでもない会社の求人が、最大手転職情報サイトに堂々とのっているんですよ。しかも、急成長中の優良企業のような書き方で。
その現実を、同じ世代の方たちへ伝えたい、同じような失敗をしてほしくない。私が、本ブログをはじめた理由です。
今までは、この超絶ブラックな会社を、特定できるような情報は、極力伏せてお話していましたが、この会社は倒産しましたので、今回は、もう少し深い部分まで、お話していこうと思います。
私が、この「超絶ブラック企業」にダマされた理由
大手転職サイトなら安心は大間違い
私がこの会社の求人を知ったのは、最大手転職サイトです。
どことは言いませんが、最大手の○○ナビです。大手の会社がやっているサイトなら、求人情報も信頼できるなんて、大間違いですよ。

この大手転職サイトに載っていた、月35万~・ボーナス有り・急成長中・幹部候補・業務拡大で人材募集、などという、景気のいい文言は、ほとんどが嘘でした。それがわかるのは、入社した後のことです。
楽天モールの創業メンバーの社長にダマされた
この求人なら、今の給与と変わらないレベルで、自分がやりたい仕事ができると、早速応募をしました。
24年ぶりの就職活動です。新卒の頃とは、やり方も様変わりしていました。ネットで、クリックするだけで、応募完了なんて、なんて便利になったんでしょう。

アナログだった昔のように、自分の目や耳で確認することをせず、ネットで簡単に手に入る情報を盲目的に信じてしまう。 これが間違いのはじまりでした。
応募の結果、無事に書類選考通過です。面接の案内が来ました。今思えば、ある程度以上なら、誰でも通過していたんだと思います。
1次面接は、50代後半に見える方との、1対1での面接でした。恰幅がよく強面で、身長的には小さいのですが、山のような威圧感のある方で、営業部長のような役職なのかな、と思っていました。あとでわかることですが、この人が「会長」で、すべての元凶となる悪徳経営者でした。
私は、WEB部門が希望でしたので、それを伝えたところ、営業経験もあるので、WEB部門か、営業部門か、それとも両方掛け持ちでやるか、現場の責任者と相談し検討させてほしい、とのことでした。時間は15分くらい。あっさりした面接でした。
そして、2次面接に進むことになりました。今度の面接は、仕入れや、物販をおこなう、営業部門の会社の社長でした。今回は名刺もちゃんといただきました。痩せぎすな60代に見える方で、口調や態度も紳士的な方でした。
「今、すごい勢いで売上が伸びている。」、「今後様々な分野へ、展開していく。これから仕事はどんどん増える。」、「能力のある人には、今すぐにでも来てほしい。」、そんな話を聞き、その気になっていってしまいました。
帰るときには、玄関まで見送りに来てもらいました。そこでの雑談で聞いた言葉が、とどめとなりました。「私はこの会社の前、楽天にいました。そこで、楽天モールの構築の初期メンバーだったんです。」

WEB関連の仕事をしたい、という希望があった私は、この人と働いてみたい、という気持ちで、完全にその気になってしまいました。
他にも検討しているところや、転職エージェントに紹介してもらった会社もありましたが、すべて断り、この会社に入社することを決めました。
悪夢のはじまりでした。
最初から、計画倒産のつもりだったのでは?
荷主の保証金まで使い込む経営者
この会社の経営を、一言で言えば、ダマして入社させた社員を、極限まで安い給料で働かせ、その浮いた分で、低価格で仕事を受注していく、というやり方です。
社員は、早出や残業、休日出社も日常茶飯事です。残業代は出ませんし、昇給はしません。ボーナスもほとんどの社員がなし。2年以上勤めている方に、1回出ただけです。1年いただけの私は当然なしでした。
確かに、仕事はどんどん増えていきました。相場の半額で受注するんですから、当然ですね。次々に新しい倉庫を借り、増員を続けていきました。
倉庫業の会社に、荷物を預ける場合、最初に「保証金」が必要となります。アパートやマンションなど、賃貸物件の「敷金」のようなもの、と言えば、わかりやすいでしょうか。
賃料の未払い場合の担保や、倉庫の原状回復費用の前払い分、という意味合いがあります。当然、使わなかった場合は、契約終了のときに、返還されるものです。
ですが、この悪徳経営者は、このお金をすぐに使ってしまう、と社内では噂になっていました。あらたな契約が取れると、奥さんと一緒に必ず海外旅行にいくんですから、なんとわかりやすいことかw
こんなやり方で、続けられる訳がない
普通の神経の人間にはできない、非人道的なやり方です。これなら、確かに急速に売り上げは上がっていくでしょう。実際に、2年程度で年商50億寸前までいったわけですし。
ですが、こんなやり方で、企業が本当に成長していけるわけがありません。社員のモチベーションは最悪ですし、入っては辞めていきます。これでは、効率化なんて図れませんし、強い組織になんて、なれるはずありません。
そして、募集しても人がこなくなってきたんでしょう。新しい求人を出すたびに、募集要項の内容は過剰になっていきました。
私は、月35万~という募集要項で応募しましたが、1年後には、月70万~の幹部候補生募集になっていましたからね。苦笑するしかありません。
そして、大手の転職サイトに、掲載がされないようになりました。これは、私がおこなった、掲載していた○○ナビにクレームを入れたことも、効果があったのでは、と思っています。きっと私以外にも、同じことをした方が、多々いたんだろうとも思います。
給料未払いどころか、保険料まで滞納していたという噂
この会社の倒産、物流や倉庫業のニュースサイトや、Yahooニュースにも掲載されました。急激な業務拡大に管理が追いつかず、会社維持のコストがかさみ、収益性が低下、資金繰りの悪化から、取引業者への支払い遅延が常態化、信用を失墜し倒産。などと、掲載されていました。
ですが、実態は、それだけではないようです。倒産まで勤めていた方には、給与支払いの遅れ、さらには未払い、なんと給与天引きされている、保険料まで滞納していたという噂があります。
私が辞めたあとの話ですので、真偽のほどは定かではありません。まだ勤めている元同僚に聞いた話や、噂を書き込める某掲示板などの、ネットで得た情報です。

さらには、ネットでは被害者の会のようなものまで立ち上がったようです。集団訴訟に向けての動きがあるようですね。
ただ、これを聞いてもまったく驚きません。あの経営者なら、それくらいしてもおかしくないだろうな、というのが正直なところです。こういう状況になっていくであろう、と確信したので、私は辞めたわけですし。
元々計画倒産をするつもりだったのでは?
働いていた当時から、感じていたことですが、この経営者は元々倒産させることを計画していたのではないか、と思っています。
これだけニュースになっていながら、元凶の会長の名前は、どこにも出てきません。会社名で検索すると、サジェスト機能で出てきますがw 公式なもの、表に出る部分には、自分の名前をまったく出さなかったんです。
常に、「会長」という立場で、自らが社長になることはしませんでした。グループで4社あるのですが、私がいる1年で、各社の社長が4~5回は替わったでしょうか。
事実上、会長がすべての経営判断をしていましたので、社長なんてただの飾りです。いざというときに、吊し上げできるような、都合のいい人材をあてがっていたんでしょうね。

これには、私が会社にいる頃から、噂がありました。以前に会社を潰した前科があり、自分の名前で会社設立をできないので会長。それ以前に、会長は偽名を使っている。なんてことまで言われていました。
なぜか倒産していないグループ会社が!?
この会社、さきほどグループ4社がある、とお話しましたが、今回倒産したのは、そのうちの3社と、私がよく知らないもう1社なんです。
倉庫業の会社、物流業の会社、仕入れ・販売の営業会社、そしてWEB事業の会社の4社で、私はWEB事業の会社で働いていました。

名刺はWEBの会社でしたが、給料は倉庫業の会社から振り込まれていました。フロアも一緒で、業務内容も整理がついておらず、別会社という感覚は希薄でしたが。
そして、倒産したのは、「倉庫」、「物流」、「営業」の3社と、私の知らない「通販コンサル」の会社。
この「通販コンサル」の会社、私の知る限りでは、楽天モールにネットショップを出店するときに、なにかしら条件があわなかったので、出店許可を取るためだけに便宜上作った、架空の会社だったと思うのですが? 記憶も曖昧で、今となっては調べようもありません。
つまり、元々あったWEB事業の会社は、まだ存在しているわけです。
検索してみたら、amazonで、まだ普通に販売をしていました。住所や責任者は変わっているようですが、社名と店名はそのままです。

私がいた頃も、存在しているかもわからない住所を、本社に記載していたくらいですから、今回の住所も怪しいものです。まあ、新興ネット通販の会社の中身が、こんな程度なんてことは、普通のことだとは思いますが。
金を出来うる限り集め、会長個人や、この会社へ資金移動し、架空会社含め、他4社をすべて計画倒産させたのでは、との疑念にかられます。
負債は30億以上ですよ。従業員の人生をぶち壊し、取引先に大きな損害を与えておきながら、主犯の人物は、計画通り私腹を肥やし、のうのうと暮らしているのかもしれないわけです。
噂サイトには、○○駅でしょっちゅう飲み歩いている、なんて書き込みもありますし。
こんな酷いブラック企業にダマされないために
情報は自分の目で確かめる
ここまで酷い会社はそうそうはないでしょう。ですが、勝ち組・負け組の両極化が進んでいる今の時代、弱小な中小企業は、ブラックな働かせ方しかできないのも現実です。
求人という「広告」に、過剰な表現をして、人を集めるようなことをしている会社は、少なくありません。
「こんな会社はダメ」、「こういう会社なら大丈夫」なんて明確なものはあり得ません。そんなことを堂々と言っているウェブサイトは、それこそ信用してはダメです。
「こうすれば大丈夫」、「こんな求人ならOK」なんてこと、私だってできればお話したいです。ですが、そんな絶対の必勝法や、間違いのないやり方なんて、あるわけないじゃないですか。あるなら、私だって知りたいです。
最後は、あなた自身の判断です。自分の身は自分で守るしかありません。
・ネットの情報を鵜呑みにしない。大手転職サイトこそ、疑ってかかる。
・ネットで目にする情報なんて、ほぼすべてが「広告」。真実は、自分の目と耳で確かめる。
40代後半で、転職を考えているなら、簡単に得られる情報を安易に信じるなんて、絶対にダメですよ。自分で動いて、できることはすべてやる覚悟で、望んでください。
↓もし私が、この歳で、4回目の転職をするなら、本気で考えてみました。
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