40代の転職で、ルート配送をオススメしない理由

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「ルート営業」や「ルート配送」は、楽な仕事?

15年の経験からの、避けるべき理由

みなさん転職活動はどうですか?いい求人はありましたか?

ルート配送の求人が気になっているんですか?よくありますよね。ルート営業、ルートドライバー、セールスドライバーなんて言われてるものもありますね。

未経験歓迎とか、簡単そうなことをアピールしているのも多いですよね。

ルート配送なら、未経験の自分でもできそう、なんて考えてしまいがちですが、楽な仕事なんてイメージを持っていたら、大間違いですよ。

私は、ルート営業として9年、その管理者として6年、合計15年ほど経験しましたが、転職活動をするときには、なるべく避けるようにしていました。

ここでは、その理由をお話していこうと思います。

40代での、ルート配送の仕事のデメリット

思っている以上に、肉体労働

運転がメインの仕事で、体は楽なんじゃないか。なんて勝手なイメージを持っていませんか?

思っている以上に体を使う仕事ですよ。体力に自信のある方ならいいでしょうが、普通の40代後半の方では厳しいでしょう。

配送業務だけで、積み下ろしは別の人がやるようなところは稀です。社員がおこなっているんですから、当然できることはすべてやらされます。積み下ろしや、引渡し方法が、思わぬ重労働のこともあります。

ダスコン業界のルート配送の場合

例えば、「ダスキン」のルート配送、軽いモップを片手に持って、個人宅のピンポンを押して、奥さんと雑談して、なんてイメージじゃないですか?

実際は、数メートルの大きさのマットを10数枚、2Fへ運ぶなんてザラですよ。ゴム製品は重いですからね。しかも、回収もある仕事です。

汚れた分、納品したものより重くなってますからね、それを持って、2Fから戻るわけです。雨の日なんて最悪ですよ。びしょ濡れのマットはめちゃくちゃ重いです。

ついでに、ペーパータオルや洗剤なども納品します。言うまでもなく、紙製品や液体は、すごく重いです。家庭への納品より、業務用の納品のほうが、圧倒的に物量が多いですからね。

自販機への補充のルート配送の場合

自販機会社の求人もよくありますよね。某最大手コーラの会社に友達が何人かいますが、入社して相当に痩せてビックリしたことがあります。

自販機へのルートなら、人と接することが少なくて、気が楽じゃないか、なんて思ってませんか?

それは確かにそうですが、繁忙期の夏は、まさしく「激務」です。特に猛暑の年は、売り切れでクレームの電話が鳴りやまず、休みなしで、深夜までの仕事がずっと続くそうです。1シーズンずっとですよ。

常に重いものを持つ仕事ですから、ルート社員全員が「腰に爆弾」を持っているそうです 。私の友人も、数ヶ月通院していたと言っていました。

クリーニングのルート配送の場合

クリーニング屋の知り合いもいます。ワイシャツを届けるなんて、軽いものを運ぶイメージを持ってませんか? 小口で届ける先なんて少数ですよ。メインは大口への納品ですから。

実際は、大きな袋に目一杯詰まったリネンを届ける仕事です。スポーツクラブなんて、タオルが目一杯つまった袋を、3Fのリネン庫へ往復して運ぶ必要があります。

自由に休みが取れない

「ルート」なわけですから、配送先=仕事量は決まっています。休んだところで、仕事量は変わりません

祝祭日で配送先のお客様がお休みなら、前後にずらして納品します。自分が風邪をひいて休めば、翌日以降に、残業してこなさなくてはいけません。

終わらなければ、土日に出社です。ゴールデンウイークだろうが、お盆休みだろうが、年末年始だって同じことです。

さらに言えば、天候や自然災害も関係ありません。台風だろうが、大雪だろうが、仕事量は同じです。

休むためには、どこかでずらしてやるしかありません。 長期の休みはあきらめてください。実際に、私は15年間祭日はほどんど休んでいません。さらには、2年に1回は、12/31まで仕事をしていました。

それに、夜遅くまでお酒を飲む事もできません。運転するわけですから、アルコールが残っているなんて厳禁です。配送業務は、朝が早いところがほとんどですからね。これも覚悟しておいてください。

管理者などの人員は、いることはいますが、そう簡単にフォローなんてしてもらえません。たかが風邪ごときで、エラい人達がルート配送の仕事をやってくれるなんて、あるわけないじゃないですか。

自由に有給が取れるような会社なんて、ごくごく一握りです。あたりまです。そんな余剰人員なんて、抱える余裕がある会社がどのくらいありますか?

結局営業もやらされる

そもそも、営業が嫌だから、ルート配送を考えている方も多いことでしょう。

ですが、結局は営業もやらされます。既存の配送先への、新商品の提案。近隣へのチラシ撒き、飛び込み営業。人と接しない自販機のルートだって、中元歳暮時期にワインの販売の営業がありますからね。

「インセンティブで稼げます」、なんて求人の会社は、こういった部分でしょうね。プラスアルファで稼ぐには、これしかないわけです。結果を出せば、昇進や職務が変わったりもあるでしょう。

ですが、営業で成果を出して、給料アップや昇進をしたいなら、最初から営業職を選べばいい話です。配送業務をこなしながら、営業もするわけですから、時間の制約もありますし、体力的にもキツイです。

それなのに、「営業」を押し付けられるわけです。まあ、会社なんて、出来る限り仕事をさせようとするものですからね。

ルートなのに、残業が多い

これは会社によることではありますが、私がやっていたルート営業は、拘束時間もすごく長かったです。7時半には出社して、21時までには帰れる、といった毎日でした。

ゆうすと
ゆうすと

それでも、当時の私は会社の中では早く帰っていた方でしたが。。

「ルート」なのに、残業が多いということは、管理体制ができていない。もしくは、わかっていながら、終わらない量をあてがっているか、どちらかです。

両方の場合もありますけどね。効率化ができていない以前の話で、そもそも効率なんて考えていない場合もあるでしょうし。

私のやっていたルート営業は、帰社してから荷物を降ろし、明日の準備をし、商品を積み込み、日報を書いて、納品伝票の計算もし、さらに営業すれば見積や提案書も作り、なんて具合でした。

どう効率化しても、定時に帰るなんて、無理な物量でした。

さらに、会議はみんなが帰ってきてからじゃないとできないですから、必然的に遅い時間からスタートとなります。午後8時からはじまる会議、どんな雰囲気かは、ご想像通りです。

仕事が増え続ける

会社は、常に利益を追求し、効率化を図っていきます。そのため、ルート配送ひとりの仕事量は増え続けることになります。

どの会社でもそうでしょうが、無能な役員の給料を削るより、末端の社員へのしわ寄せの方が先ですから、ルート配送なんて直撃です。

ヤマト運輸のニュースも記憶に新しいですよね。大手のヤマトさんが率先して、待遇の改善へ取り組んでくれていることで、だいぶ世の中にも浸透してきつつあるんでしょうが 、まだまだ中小はそうはいかないのが現状でしょう。

私のいた会社は、納品件数が、15年で倍増しました。大げさではなく、本気で倍になりました。

1日40件以上ですよ。1件の納品5分、次の納品先へ5分で着いたとしたって400分、それだけで7時間近くですよ。

それを、無能な役員「1日100件だってできる」、べったりの部長「余裕でできますよね」。頭おかしいです。

外回りは、なにかとお金がかかる

あまり言われないことですが、私はすごく重要なことだと思います。いやいや、本当に、これがバカにならないんです。1日外に出ているわけですから、なにかとお金が掛かります。

同じ外に出ている、営業職でも同じようなことはあるかと思いますが、時間に余裕がないルート配送は間違いなくそれ以上にお金が掛かります。それなのに、営業より給料は安いわけです。

まず、なんといっても、飲み物代。これが掛かります、肉体労働ですから。でも、夏場は飲まないと倒れてしまうので、飲まざるを得ません。しかも、買う場所を選ぶ余裕なんてあるわけがないですし。

猛暑の時なんて、1日5~6本くらいじゃ全然足りませんから。これを、自販機で買ったとすると140円×8本ですよ。夏場はこれが毎日掛かるわけです。

当然、水筒を持っていくこともしていました。水筒と別に、スーパーで買った安いペットボトルのお茶やスポーツドリンクを凍らせて、持っていっていましたが、これくらいじゃ、とてもじゃないですが足りません。

ですが、これ以上持っていくとなると、どれだけ重い荷物を持って出社すればいいんですか。

同僚の中には、お客さんのところで水をいれさせてもらっている強者もいましたが 、さすがに私はそこまではできませんでした。冷えたのが飲みたいですしね。

お昼も、お弁当を持っていくようにしていましたが、夏場は車内に置いておくのは危険ですので、どうしても外食やコンビニ弁当です。これも無駄な出費です。健康にもよくないですし。

それに、コンビニはつい余計なものを買ってしまうもの。夏はアイスを買ってしまったり。冬はホットがほしくなりますしね。

他にも、社内にいれば掛からない費用が、ちょこちょこ掛かります。冷却スプレーや、マウスウォッシュやガム、爪楊枝、ティッシュペーパーにウェットティッシュなどなど。車に装備していました。

社内にいれば、お茶やコーヒーも出てくるし、お菓子の差し入れがあったり、ペーパータオルも使えるし、歯も磨けますしね。ウォーターサーバーがあるなんて最高じゃないですか。

「運転」をすることのリスク

高齢者の事故のニュースが増えていますが、まだ40代だから大丈夫、なんて思ったりしてませんか?「自分は大丈夫」なんて人こそ、事故を起こすものです。慢心は失敗の元です。

私たち世代だって、気を引き締めておくべきです。そりゃあ若い頃とは違いますから。

命に係わることですからね。本気で、毎日仕事で何時間も運転をできるのか、真剣に考えるべきです。ほんの一瞬の気の緩みで、人生終わってしまいますから。

交通違反に関しても、どういう対応になるのか、その会社によく確認するべきです。駐車禁止も厳しくなりましたしね。違反金は会社が出してくれるのか、罰則規定なども要確認です。免許停止なんて、死活問題になりますからね。

また、運転は、意外と見られているものですよ。ごみのポイ捨てや、あおり運転、エンジンをかけたままの休憩などなど、会社にクレームの電話がくるなんて、しょっちゅうでしたから。

さらに今は、ドライブレコーダーもありますし、スマホで動画もすぐ撮れますから。1日運転していればいい気楽な仕事、なんて大間違いですからね。

殺傷能力がある「車」を動かす仕事であるリアルを、真剣に考えてください。

ずっとひとり、孤独な作業

ひとりは気楽でいい。それはそうですが、いざひとりの時間がずっと続くと、それも苦痛になっていくものです。人間勝手なものですね。

普通に業務をおこなっているときはいいんですが、トラブル発生時が、いちばん厳しいところです。

渋滞や事故で、納品が遅れるなんてしょっちゅうですし、納品の順番を変えるのかの判断や、遅れの電話連絡、車がパンクすることもありますし、ようやく着いた先でクレームだってあるわけです。

携帯で連絡が取れるとはいえ、まわりに仲間の社員がいるような環境ではないですから、その場での臨機応変な対応が必要になります。いざというときには、すべて自分の判断で、対処しなくてはなりません。

決められたルートをまわる=受け身でできる楽な仕事、ではないですよ。ひとりなんですから、主体的に考えらる人でなければ、やっていけません。

ルート営業には、将来性がない

そして、将来性も期待できません。どうやったって単調な作業です。やりがいは感じづらいですし、スキルアップにつながる業務も少ないです。

さらには、給料も期待できません。ルート配送なんですから、毎日同じことをやっているだけなのに、昇給なんてするわけないじゃないですか。

配送をおこなう人員は、常に一定量必要なわけです。昇進できるのは一握り、大多数は、いつまで経っても抜け出せません。永遠に同じことの繰り返しです。

若いころは、いつまでルートを続ければいいのか、ひとりで運転している時間に、そんなことばかりを延々と考えていました。

焦燥感を感じながら、営業成績を上げ、役職がついたり、勉強して資格をとり、別の部署へ異動となったわけですが、この歳で、それをもう一度やり直す気力は、私には起こりません。

将来性でいうと、もうひとつ、ルート配送なんて、パート化や、外注化の可能性もあるわけです。会社の経営判断次第で、いきなり仕事がなくなるリスクもあるわけです。

どういう「ルート配送」ならいいのか

求められているものに対して、対価が少ない

ルート配送は、最低限を適当にこなすのなら、誰でもできる仕事ですが、高いレベルでおこなうのは、実は難しい仕事だと、私は思っています。

いちばん必要なのは、人としての「要領の良さ」でしょう。

バランス良く、様々な能力が求められます。コミュニケーション能力、体力、営業力、運転技術、時間管理、当然今の時代PCだって必須です。

このスキルだけがあればできる、なんて仕事ではないですからね。なのに、求められるものが多いわりに、待遇が良くないのが実情です 。

ルート配送をどうとらえている会社なのか

それでも 、ひとりでマイペースでおこなえることを重視する方や、運転が好きな人、デスクにずっと座っているのが苦になる方など、やはりルート配送を検討したい、という方に、最後に重要なチェック項目をお話ししておきます。

それは、その会社が、「ルート配送」という業務を、どう捉えているか、です。これさえちゃんとしている会社なら、ルート配送として入社しても問題ないでしょう。

営業部と、配送部の仲が悪いなんて、よくある話です。ここの連携ができていないと、数字だけを考えて、好き勝手に契約を取って来る営業部、その後の対応は、配送現場がなんとかしろ、なんていう会社になるわけです。

時間指定だろうが、特殊な納品形態だろうが、なんでも契約を取ってくる。営業がそんなスタンスの会社は、利益が出ない会社になっていきます。

ちゃんと考えている会社は、営業と現場が、対等な関係で意見を交わしています。お客様へも交渉するべきことはちゃんと交渉し、社として利益がでるのか、人員の待遇も含めて考えます。イレギュラーを徹底的に排除して、効率化を図っているものです。

業績の悪化や、経費の削減が、末端にしわ寄せなんて、よく聞く話ですよね? ですが、これからの時代、そんな会社は、間違いなく淘汰されていきます。

あたりまえでしょう。ただいるだけの「部長」なんて役立たずに、高い給料を払い、実際にお金を生み出している現場にコスト掛けない、そんなやり方で、会社が生き残っていけるはずがないじゃないですか。

いくら末端と言えど、「ルート配送」は、お客様と接する、「会社の顔」ですから。これを、ただの単純作業と考えて、おざなりにしているような会社には、将来性はありませんよ。

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