私達は、「団塊ジュニア世代」に生まれました
<10代>
私たちは、「団塊の世代」の子供世代ということで、「団塊ジュニア」と呼ばれていました。とにかく人数が多く、押しのけてでも自分をアピールいなくては居場所がない、そんな子供時代でした。
先生も捌くだけで精一杯だったんでしょう。中学生までは、人間として扱われていないと思うことも多々ありました。体罰もあたり前の時代です。
受験戦争をはじめ、競争社会が子供のころから普通の環境でした。
親の転勤で、何回も転校を余儀なくされました。会社が絶対の存在と考えている、「団塊の世代」の親に振り回されてばかりの時代でした。
<20代>
4年生大学を卒業する頃にバブル崩壊。今度は「就職氷河期世代」と呼ばれるようになりました。
ほんの数年前に卒業した先輩たちは、みんな有名企業へ就職していました。バブルで浮かれていた先輩たちからは、ずいぶんとおごってもらったものです。いちばん高い酒を頼め、などと言われ、ウイスキーの「山崎」をはじめて飲みました。
そして、自分たちの就職活動。聞いていた話とは、まったく違っていました。たった2年で、こんなにも違うのかと痛感しました。
本当につらい1年でした。自分の能力のなさを、これでもかと思い知らされました。大学生相手の面接なのに、甘い気持ちでくるんじゃない、などと説教をされたこともありました。
大手企業の説明会なのに、2~3流大学しかいなく、おかしいなと思ったら、一流大学と別の日に集められていた、なんていう悔しい思いをしたこともありました。
もはや正確に覚えていませんが、50社以上は応募したでしょうか。
それでもなんとか就職できましたが、入れたのは中小企業。それでも、ここでなんとかやっていくんだと意気込み、バブル世代には負けないとの思いで働きました。
十分な社員教育を受けられなかった世代とも言われますが、それなりの経験を積んで、ある程度の実績は出してきたつもりです。
<30代>
バブル入社以前の先輩に追いつき、ある程度の役職にもつき、収入もそれなりになりました。
大学の同期で、一部上場企業に就職ができたやつも何人かいましたが、そいつらからは、仲間の誰より早く出世して、課長職にまでなったことを、うらやましがられたものです。
この頃、私たちより、もっともっと大人の人たちは、団塊ジュニアのジュニア、それが多く生まれる頃、消費を押し上げ、景気が回復する、などという勝手な妄想を抱いていたようです。
ご存知の通り、そんな状況はくるわけがありません。私たちより上の世代が、若い世代を虐げる世の中を作ったんですから。
ですが、自分たちでそうしておきながら、それが実現しないわかると、それは私たちの世代のせいとなり、今度は「失われた世代」、などど勝手に呼ばれるようになりました。
<40代>
上が詰まっているので、そのままの役職、実務のトップをずっと続け、この歳になりました。いわゆる中間管理職です。
大学の同期で、大企業へ就職できた友人たちも、ようやく課長職になれたようです。年収は700万~、年功序列がまだ残る大企業で、さらに年齢を重ねれば、上がっていくシステムです。
私は、彼らより10年早く管理職になりましたが、入ったのは弱小の中小企業。業績の悪化をリストラで乗り切るしかない、そんな状況に直面することになります。
もちろん、リストラの対象は40代の中間管理職です。若い30代前は現場作業員として継続採用、60代以上の役員は、なんにもしていないのに高給を取り続ける。これが今の日本の現実です。
そして今、私たちの呼ばれ方が、また変わったようです。「不遇の世代」なんて呼ばれているそうですね。ロスジェネ世代とも言うようです。
そして、この本当の意味を実感したのは、転職した後でした。
私たちの世代を求める求人はほとんどありません。
<50代以降>
私たちが求められることは、さらになくなっていく中、それなのに、私たちは70過ぎまで働き続ける必要がありそうです。
就職氷河期、不遇の世代の逆襲
年功序列、終身雇用はとっくに終わっている
正直なことを言って、「貧困はその人に能力がないせいだ」と私も思っていた頃もありました。
でも、転職を経験し、その考えは変わりました。
いかに自分が甘かったか、
昔ながらの年功序列の残り香に勘違いをしていただけなんだと。
一度落ちてしまうと、這い上がれないシステムなんだと。
埋めることのできない格差が、広がっている社会なんだと。
スタートから、厳しい状況になってしまった方も、とても多い世代なんだと。
でも。
私達の世代は、間違いなく逆転します。
考えてみてください。私たちが働かなくては、社会が立ち行かなくなります。あたりまえです。これだけの人数です。頼らざるを得ません。必ず仕事はあります。
劇的に変わっていく労働環境
格差社会がさらに進むのは間違いないでしょう。儲けている人はもっと儲け、そうでない人はさらに下へ。自覚がないようにジワジワと。
会社生存率の低下、高齢化の進行、年功序列の崩壊、外国人労働者の増加、AIに奪われる仕事、これから働き方が劇的に変わっていくのは間違いありません。今、他人事と思っている人たちも、必ず巻き込まれていきます。
でも、そんな環境で生き抜いていく力。私たちには、その自信があります。当然です。常にそういう状況で生きてきたんですから。
それに、「お金がある=幸せ」の意識がなくなった最初の世代です。趣味や価値観の多様性。それを理解ができます。
一般的に価値がある、と言われていることに、お金を使ってステータスを得て優越感を得る。虚栄心のためにわざわざ高い車を買ったり、夜のお店で派手にお金を使う、なんてこと、私たちより下の世代は、ダサイとしか感じません。
そんな昔ながらの価値観に「興味がない」と言いはじめた世代です。
転職を決意した、同世代の方へ
転職するなら、あせらず時期を見極める
転職を決意したのに、求人がない、採用されない、という方もいらっしゃるかと思います。そりゃあ、すぐ決まるわけがありません。若い世代の転職とは違いますから。
でも、あせってブラック企業に入ってしまうと、さらに厳しい現実が待っています。
すぐにでも転職したい、その気持ちは十分にわかります。でもその前に。
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私たちの年代に特化した、都がアドバイザーまで支援してくれるサービス
ご自身の過去を振り返ってみてください。失敗した原因の多くは、「情報不足」ではありませんでしたか?
登録も利用も無料とはいえ、いくつも登録するのは確かに面倒ではあります。ですが、その手間を惜しんでいてはダメですよ。使えるものはすべて使い倒すくらいの気持ちで、じっくりと情報を集めてくさい。この歳にもなって、「やらなかった後悔」を増やすことはないでしょう。
労働環境が激変していく中で、その経験、生かしてほしい場は、今後必ず増えてきます。自分というピースがはまる場所は必ずあるはずです。
でもそれに出会うのは時間が掛かるかもしれません。長期戦を覚悟してください。どうせ70超えたって働かされるんです。まだまだ時間はたっぷりありますよ。
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